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History / Ryukyu ウージ(サトウキビ)は倭蔗(wozhe)が語源 サトウキビ栽培の歴史から考える

下は、農業産業振興機構からのリンク画像

https://www.alic.go.jp/content/000090927.jpg

 

サトウキビ 甘蔗(かんしゃ、かんしょ)の歴史を調べてみた*。

754年 中国(当時の唐)の僧、鑑真が日本に渡る際、砂糖を持参したといわれる。

756年正倉院に保存される大仏に献上した薬の目録「種々薬帖」に、

「蔗糖(サトウキビからつくられた砂糖)」の記録がある。これが日本の文献に現れる砂糖の記録の最初らしい。

 

日本でサトウキビが栽培され砂糖の生産が始まるのは、ずっと後世のことだ。

1609年 薩摩国大島郡(奄美大島)の直 川智(すなお かわち)が黒砂糖の製造に成功。

1623年 琉球では、儀間真常(ぎましんじょう)により中国福建省から黒砂糖の製造法が伝えられたと言われている。しかし、サツマイモに関する情報は多いが、サトウキビ栽培に関する情報が非常に少ない。

 

そこで、直川智(すなおかわち)について調べてみた。
直 川智 (すなお-かわち)は奄美大島の開饒(ひらとみ)神社に祀られている*。

開饒(ひらとみ)神社は、わが国糖業の元祖である、直川智翁を祀った神社

直川智(すなおかわち)は、江戸時代前期の殖産家で奄美大島の大和村大和浜の出身。
慶長10年(1605年)奄美大島の大和村大和浜出身の直川智は、沖縄・琉球に渡る途中に台風に遭い(当時の奄美大島は薩摩ではなく琉球であることに注意して欲しい)、明国の福 建に漂着。

当時、支那(明国)においては、外国人に製糖技術を習得させることは、国禁であった。しかし、直川智は現地でひそかに甘蔗(かんしょ)(サトウキビ)の栽培と製糖法をまなび、帰国の際にはサトウキビの苗3本を二重底を作った衣類箱に隠して持ち帰り、郷里の奄美大島戸円字磯平(今の磯平パーク)に試植し製糖に着手 、5年後に黒糖百斤(60kg)を収穫した。

その時期は、奄美大島琉球から島津藩に属するようになった時期と重なっている。

薩摩は直川智翁の孫に糖業増産を命じ、藩の有力な財源にする。
薩摩は島民に対して、租税は全部黒糖で納めさせ、島民は苦しい生活を過ごした。

その黒糖による財源で島津藩明治維新で活躍し、現在の近代日本の基礎が築かれたと言われている。

 

さて、本題の「ウージ」の語源の件である。

サトウキビは沖縄方言で 「ウージ」 と呼ばれていることは、良く知られているが、種子島では 「オウギ」、奄美群島の徳之島では 「ウギ」と呼ばれている。

沖縄言語研究センターでは、これらはオギ(荻)が訛ったものであるとしている*が、オギはイネ科ススキ属 であり属が異なる植物である。また、中国語では 甘蔗(拼音: gānzhè ; ガンジャ)と呼ぶことからも、オギ(荻)が訛ったものとする根拠は不明である。

 

しかし、上記の歴史的いきさつを踏まえて考えて見よう。

明が国外に持ち出すことを禁止しているものを栽培する直川智と当時の琉球王国の立場(島津藩の立場も同じだと思うが)を考えると、密輸と栽培の事実を明国からカムフラージュする必要があったはずである。琉球であれ薩摩であれ、明国製ではなく日本製の砂糖であると称する必要があったはずだ。

その可能性に気付くべきだし、それを考慮すべきである。

であるから、直川智とその周辺が名をつけ?「倭蔗」(wozhe)・・「うちの砂糖」の意味で、「ウージャ」と呼ばれていたであろうものが、上記のように種子島では 「オウギ」、奄美群島の徳之島では 「ウギ」とよばれ、沖縄方言で 「ウージ」 と呼ばれるようになったのであろう 。

今のところ証拠文献はないが、オギ(荻)が訛ったものとする説より、歴史的背景を踏まえているのではなかろうか。

 

参考:

*人類と砂糖の歴史 :: Science@Sugar

*【大和村役場】イベント・観光情報:観光情報:ひらとみ神社

*http://ryukyu-lang.lib.u-ryukyu.ac.jp/srnh/details.php?ID=SN51914 ウイキペディア 脚注 2 サトウキビ - Wikipedia

 

Wherever there is a human being, there is an opportunity for a kindness. 引用・転載はご自由に。ただし、引用元・転載元だけ明記ください。 Feel free to copy and reprint but please just specify an origin of quotation.