ボストンパブリックライブラリー所蔵の
「The library reference atlas of the world 1890」に掲載されている「CHINESE EMPIRE AND jAPAN」と「Japan(DAI NIPPON)」の二つの地図を紹介する。
The library reference atlas of the world
by Bartholomew, J. G. (John George), 1860-1920 J. G. バーソロミュー氏調製
Published 1890 1890年出版
英国 地図帳
CHINESE EMPIRE AND JAPAN 「中華帝国と日本図」
BY J. BARTHOLOMEW
https://archive.org/stream/libraryreference00bart#page/n216/mode/1up
CHINESE EMPIRE AND JAPAN 拡大図1.
CHINESE EMPIRE AND JAPAN 拡大図2.
CHINESE EMPIRE AND JAPAN 拡大図3.
CHINESE EMPIRE AND JAPAN 所見:
1.日本の国境を示す線が太平洋から台湾東部直近を通り東シナ海、日本海へと延びている。
2.Tiayusu Hoapin で示される尖閣諸島をあわせて宮古島諸島(Majico Sima Is)として描いている。
3.鬱陵島が日本領と分かるような領域まで国境を示す線が描かれている。
4.北方領土がウルップ島まで記載されている。
Japan (DAI NIPPON) 「日本(大日本)図」
BY PROFESSOR W. E. GRIFFIS
https://archive.org/stream/libraryreference00bart#page/n219/mode/1up
Japan (DAI NIPPON) 拡大図1.
Japan (DAI NIPPON) 拡大図2.
Japan (DAI NIPPON) 所見:
1.尖閣諸島については、長崎純心大学の石井望氏が下記で紹介している1895年版
イギリス製地圖でまたも尖閣の西側に界線 バーソロミュー氏 日清戰役の年 : - 尖閣480年史 - いしゐのぞむブログ
より5年早い1890年のもの。
2.「この界線は明治二十八年一月に尖閣を編入してから四月に臺灣が割讓されるまでの間の状態を示すわけでなく、それ以前から歐洲で普遍的に流布した認識を示すもの」と石井氏が解説した事実を裏付けている。
3.上記の「CHINESE EMPIRE AND JAPAN」と異なり、宮古島諸島をNambu-Shoto Groupと表現しており、尖閣諸島は別に描かれている。
4.現在の魚釣島とその近傍の島嶼群、久場島、大正島と推定される島々が、日本の国境内の島々(LIU KIU ISLANDS)、すなわち琉球諸島として描かれている。
補足だが、石井氏の上記のブログでバーソロミュー氏調製の地図がいくつか紹介されているので、ご興味ある方々には是非参考されたし。
ちなみに私のブログでバーソロミュー氏の地図を紹介するのは3回目となる。
参考:
Search Result: Bartholomew - kaiunmanzoku's bold audible sighs