【道具の交換】
海で漁をして暮らしていた兄の海幸彦と山で狩りをして暮らしていた弟の山幸彦がいました。
ある日のこと、弟の山幸彦は兄の海幸彦に互いに釣り竿と弓矢を取り替えてみようと提案しました。
そして、兄の海幸彦は山へ、
弟の山幸彦は海へ出かけました。
しかし、二人とも獲物をとることはできませんでした。
そこで兄の海幸彦は弟の山幸彦に「やはり本来持つべき物を持って、本来の場所へ出かけないと何も得られないから、道具を返すことにしよう」と言いました。ところが、弟の山幸彦は魚がとれないばかりか、兄の海幸彦の大切な釣り針を海でなくしてしまっていたのです。
それを聞いた兄の海幸彦は激怒して、「とにかく返せ」と責めてきました。
そこで、弟の山幸彦は、自分の剣(十拳剣:とつかのつるぎと言われる剣)をこわして500本の釣り針を作って弁償しようとしました。
しかし、兄の海幸彦は、これを受け取らず、「なくした釣り針以外はいらない」と言って、弟の山幸彦を許してはくれませんでした。
次に1000本作って持って行いっても「あの元の針をかえせ」と言われてしまいました。(続く)
兄 海幸彦 (ホデリノミコト)
弟 山幸彦 (ホオリノミコト)
下の話を簡単にしてみようと思いました。