【犯罪者集団の共謀罪】
人が、ある動作を目的をもって行う場合、その動作を「(目的的)行為」と言う。
人の行為というものは、彼もしくは彼女に意思があるならば、行動を起こす段階で、常にその目的を達成するための手立てを考えねばなりたたないだろう。
つまり、目的実現のための手段を選択することこそ、目的実現のための第一歩になる。次段階は、その手段をコントロールして目標達成に導くことである。
ある行為が犯罪とされるのは、その行為が条文に記された事柄や条件(構成要件)をみたす「違法」で「責任」を負わねばならない行為のときである。
犯罪者集団の構成要件が、犯罪を実行する目的で結合することにあるのなら、初めは犯罪を目的としなかった集団においてもその結合が犯罪実行に向けられた時に、結合は目的実現(犯罪実行)のための手段に変貌したと判断しえる。
「犯罪実行に向けられた時」とは個人が犯罪実行の目的を持っただけでは足りず、謀議が行われた時、「謀議の時点」である。その時点で「結合は目的実現(犯罪実行)のための手段に変貌した」といえるだろう。