泊は設計通り停電に耐え、内部電源(非常用D/G)に切り替わった。
泊が、震度2で電源喪失寸前だったとし「経産省と北電の災害対策はお粗末」と報道した朝日。お粗末以前の無知蒙昧。
この指摘は下記のFBに投稿したものだ。説明と証拠保全のためBlogにも書いておく。
経緯:
北海道胆振東部地震による停電で、北海道電力泊原子力発電所1~3号機(泊村、停止中)が一時、外部電源を喪失した。
2018年9月6日午前3時25分に外部からの電源供給が止まり、約9時間半後の同日午後1時までに復旧した。3基とも原子炉は空。使用済み燃料プールに計1527本の燃料があるため、非常用ディーゼル発電機で冷却を続けていたもの。
問題の記事:https://dot.asahi.com/dot/2018090600047.html?page=2
捕捉説明:
ちなみに原発の外部電源を喪失させない方法は運転することである。
発電中の発電所は、原発に限らず、発電している電気を変電設備を通して「所内電源」としている。つまり発電所内で必要な電力を内部電源(自家用)として持っている。
しかし、泊発電所は現在発電していないので外部から電力を取り入れていたわけだ。
そして、発電所に限らず、大きな変電所でも全停電時のために「予備電源」というものを持っている。その代表的なものがディーゼル発電機だ。所内電源確保用の予備電源用ディーゼル発電機は「非常用DG」と呼ばれる。
全停電の中で泊発電所で燃料を冷却していたのも、その「非常用DG」だ。泊発電所では、それが全停電時に設計通り安全に稼働したということである。
ちなみに、苫東厚真火力発電所でも所内電源確保用の予備電源は当然あるが、報道によると、再起動には設備修繕と外部電源が必要で、復旧には1週間以上かかるということだ。