【外國人土地法】は、現在でも有効な法律である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第一條 帝國臣民又ハ帝國法人ニ対シ土地ニ関スル権利ノ享有ニ付禁止ヲ為シ又ハ条件若ハ制限ヲ附スル国ニ属スル外國人又ハ外國法人ニ対シテハ勅令ヲ以テ帝國ニ於ケル土地ニ関スル権利ノ享有ニ付同一若ハ類似ノ禁止ヲ為シ又ハ同一若ハ類似ノ条件若ハ制限ヲ附スルコトヲ得。
略意:
日本人・日本法人による土地の権利の享有を制限している国に属する外国人・外国法人に対しては、日本における土地の権利の享有について、その外国人・外国法人が属する国が制限している内容と同様の制限を勅令によってかけることができる
捕捉:
「勅令」部分は、日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律 第2条第1項 の規定により、「政令」と読み替えられるので、現内閣が政令を定めさえすればその政令施行の日から法の運用が可能である。
法務省は、WTO協定を踏まえ「外国人であることを理由に、土地取得を一律に制限することは難しい」としているらしいが、相互主義についての観点、安全保障上の観点が抜け落ちており不当だ。
下記の答弁とWTO条約付属書ーBサービスの貿易に関する一般協定 第十七条 内国民待遇を吟味願いたい。
WTOでは、安全保障上の規制はWTOの範囲外としていることも忘れてはならない。例えば戦略物資や技術・ノウハウの国外流出等については国内法で対応可能である。土地についても防衛上の規制は充分可能であるはずだ。
外国資本による土地取得に対する規制の必要性に関する質問主意書:質問本文:参議院
五 財政金融委員会において、安倍総理は、「外国人の国境離島等に対する取得、あるいは自衛隊の施設の近傍に対する土地の取得について制限を掛けるべきではないかという議論があったのでございますが、WTO上、外国人に対して、外国人であるという、あるいは法人であるということによって制限は掛けることはできないということでございまして、一方、中国は、この適用の、WTOに加盟する段階でこれは留保しているということになっております」と答弁している。
1 「WTO上、外国人に対して、外国人であるという、あるいは法人であるということによって制限は掛けることはできない」とする答弁の根拠は何か。
2 安全保障上の観点から、外国資本による土地取得に対して規制をかけることも、WTO協定や二国間の投資協定などの国際条約に照らして、不可能なのか、政府の見解を示されたい。
3 外国資本による土地取得に対して態度を留保せずにWTOに加盟した国のうち、安全保障上の観点から、外国人や外国資本による土地取得に対して規制をかけている国が存在しているか明らかにされたい。また、二国間協定における外国資本による我が国の土地取引に対する規制の取扱いにつき明らかにされたい。
外国資本による土地取得に対する規制の必要性に関する質問に対する答弁書:答弁本文:参議院
五の1について
御指摘の答弁は、世界貿易機関を設立するマラケシュ協定(平成六年条約第十五号)附属書一Bのサービスの貿易に関する一般協定第十七条が、他の加盟国のサービス及びサービス提供者に対する内国民待遇について規定していることに基づき、述べたものである。
五の2について
お尋ねの「安全保障上の観点から、外国資本による土地取得に対して規制をかけること」の具体的内容が必ずしも明らかではなく、お答えすることは困難である。
五の3の前段について
お尋ねの「外国資本による土地取得に対して態度を留保せずにWTOに加盟した国」の趣旨や「安全保障上の観点から、外国人や外国資本による土地取得に対して規制をかけている国」の具体的内容が必ずしも明らかではなく、また、土地取引に関し、第三国がどのような観点から規制を設けているかの詳細について、我が国として承知する立場にないため、お答えすることは困難である。
五の3の後段について
我が国が近年締結した多くの投資協定又は経済連携協定においては、相手国において、日本国の国民又は法人が土地の取得又は賃貸借を禁止又は制限されている場合には、日本国における相手国の国民又は法人による土地の取得又は賃貸借について、同一又は類似の禁止又は制限を課することができるなどとされている。
第十七条 内国民待遇
1.加盟国は、その約束表に記載した分野において、かつ、当該約束表に定める条件及び制限に従い、サービスの提供に影響を及ぼすすべての措置に関し、他の加盟国のサービス及びサービス提供者に対し、自国の同種のサービス及びサービス提供者に与える待遇よりも不利でない待遇を与える(注)。
注 この条の規定に基づいて行われる特定の約束は、加盟国に対し、関連するサービス又はサービス提供者が自国のものでないことにより生ずる競争上の固有の不利益を補償することを要求するものと解してはならない。
2.加盟国は、他の加盟国のサービス及びサービス提供者に対し自国の同種のサービス及びサービス提供者に与える待遇と形式的に同一の待遇を与えるか形式的に異なる待遇を与えるかを問わず、1の義務を履行することができる。
3.加盟国が他の加盟国のサービス又はサービス提供者に対して与える形式的に同一の又は形式的に異なる待遇により競争条件が当該他の加盟国の同種のサービス又はサービス提供者と比較して当該加盟国のサービス又はサービス提供者にとって有利となる場合には、当該待遇は、当該加盟国のサービス又はサービス提供者に与える待遇よりも不利であると認める。
出典:産経ニュース|©2016 The Sankei Shimbun & SANKEI DIGITAL All rights reserved.