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Essay / Topics 尖閣問題を始めとする東シナ海、南シナ海における中国の領海戦略とは何か

  

BBC掲載の南シナ海情勢図

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【9段線とは何か】大嘘である。
1947年12月1日、中華民国の内政省地域局が作成し、国民政府が議決・公布した『南シナ海諸島新旧名称対照表』及び『南シナ海諸島位置図』には、11段のU字線が描かれていた。

1953年以降のチャイナを描く中共の地図では11段線が9段線に書き直された。南シナ海の9の破線は「断続線」、「九段線」、「U字線」など多くの名称が与えられている。
チャイナは、この線に法的意味を持たせようとするが、「『九段線』には歴史的経緯がある」というのは大嘘である。

現在の中共の世間の常識から外れた発想、国際法を無視した行動は、全て「『九段線』には歴史的経緯がある」という大嘘から成り立っている。

 

 

ニューズウィーク誌の記事

漁船を悪用する中国の狡猾 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

この記事の中で秀逸な部分を抜き出したのが下記の抜粋である。

 

*********** ニューズウィーク誌の抜粋*********

中国政府がこうした漁船の行動に直接指示を出しているのかは定か­ではない。恐らく意図的な指示が出ていることもあれば、偶然の衝­突事故などに乗じるケースもあるのだろう。明らかなのは、中国政­府が漁船に紛争海域での操業を奨励しており、問題が生じれば政府­が乗り出していく、ということだ。

 

中国は領有権をめぐり対立する周辺国を真正面から挑発し、反応を­引き出すだけだ。紛争海域に漁船を送り、相手国の海軍や沿岸警備­隊との衝突を引き起こし、相手の主張を撤回させる。また漁民が起­こした問題を逆手に取る。いずれにしろ、強大な軍事力があれば、­さまざまな選択肢が生まれる。

 ************抜粋終わり************

 

上記ニューズウィーク誌の記事と下記の資料を是非とも読んで欲しい。

 

中国と周辺国家の海上国境問題 李国強 著

 http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/publictn/japan_border_review/no1/03_li_guoqiang.pdf

 上部にBBCの説明用地図を掲載したが、その赤線部分が「断続線」、「九段線」、「U字線」など多くの名称で呼ばれる中国の主張する領海(歴史的水域)である。

 

**********中国と周辺国家の海上国境問題 李国強 著 の抜粋*********:

1947年12月1日、中華民国の内政省地域局が作成し、国民政府が議決・公布した『南シナ海諸島新旧名称対照表』及び『南シナ海諸島位置図』には、11段のU字線が描かれていた。

1953年以降、中国地図では11段線が9段線に書き直された。南シナ海の9の破線は「断続線」、「九段線」、「U字線」など多くの名称が与えられている。この線に対する法的解釈は多く存在するが、概ね以下の4つがある。

 

 第1の理解は「島嶼帰属の線」とするものである。すなわち、線内の島嶼及び周辺海域は中国に属しており、中国がこれを管轄し、統制する。この説によれば、法的には、線内の島嶼、暗礁、岩石、砂洲、環礁などが中国の主権管轄下にあるが、線内水域の法的地位は線内の島嶼及び群島の法的地位によって決められるため、法そのものは「帰属線」に関係がない。この説によれば、九段線は「中国は南沙群島及び周辺海域に対する議論の余地がない主権を有する」という中国政府の旧来の立場と一致するとみなされる。

 

  第2の理解は「歴史的な権利の範囲」である。すなわち、線内の島、礁、浅瀬、砂洲は中国領土であり、内水以外の海域は排他的経済水域と大陸棚となる。中国は、島、礁、浅瀬、砂洲の主権及び海域にあるすべての自然資源の主権権利を含む線内の歴史的権利を求める。海域は法的には排他的経済水域に相当し、他国による航行、上空通過、海底ケーブル及びパイプラインの敷設など、3つの活動の自由は確保される。

 

  第3の理解は「歴史的な水域線」とする。すなわち、中国は線内の島、礁、浅瀬、砂洲及び周辺海域の歴史的権利を有するのみならず、線内のすべての海域が中国の歴史的な水域とされる。当該水域において外国船舶は許可なしで航行、通過することができない。台湾の学者の多くがこの説を支持する。

 

  第4の理解は「伝統疆界線(国境線)」である。すなわち、線内の島、礁、浅瀬、砂洲及び周辺海域は中国に属しており、線外の区域は公海または他国に属する。当線は断続した国境線、すなわち、未画定ではあるが、国境線を基に描かれたもの、「中国と外国との境界」を示している。線内は中国領、線外は隣国領あるいは公海となる。また、当線は中国と隣国の中間線に位置し、南シナ海諸島の範囲あるいは外部との境界を表示している。

 

 中国学界では「九段線」の法的な地位に対する認識が完全に一致しているわけではないが、「九段線」は中国の歴史的な発展のもとで形成され、近代以来の中国人民の南シナ海での活動範囲に対する認識を反映している。中国の地図が作成された当時の基本的な規範から考えれば、この「U字線」は「断続国境線」であると確認できる。

 「断続線」による中国の南シナ海における権利は、40年前、すなわち、国連海洋法条約の成立前に形成され、公認されたものである。従って、新しい海洋法制度の確立が、一国の旧来の権利を否定することはできない。国連海洋法条約が、排他的経済水域及び大陸棚の海洋に関する権益に対する主張あるいは画定する権利を沿海国に付与したことを根拠として、中国が有する南シナ海における歴史的な権利を否定することはできない。

 

 国際法及び新たな国際海洋秩序の確立に伴い、「九段線」の性質、地位及び役割は変化しており、新たな定義及び解釈が必要になっている。しかし、後から確立された海洋法を用いて旧来存在してきた「九段線」の合理性を否定することはできない。それは本末転倒であり、歴史の無視といえる。

 

従って、我々は「九段線」の本質に対する認識をさらに深め、歴史と現実を区別する必要があり、「九段線」の歴史的経緯を無視した国際法の一方的な強調はできないと考えている。 「九段線」は長期にわたって存在し、中国人民の頭に染み込んでいる。この線を無視して南シナ海問題を議論することは中国人民にとって受け入れられない。

**********抜粋終わり************

 

この李国強の領海や領土に関する主張を見ればわかるが、

法的意味をなさない「法的地位」、

歴史的背景なき「歴史的権利」、

同じく歴史的背景が倭寇の活動を無視できない「歴史的水域」や

伝統なき「伝統疆界線」

等々の中国政府の世間の常識から外れた発想、国際法を無視した論理は、全て「『九段線』には歴史的経緯がある」という大嘘から成り立っている。

しかし、仮にも学者を名乗る人物が主張する嘘である。普通人は、その大嘘が何処から出てくるかと言う疑問にぶつからざるを得ないだろう。それに関しての私の結論は中華帝国主義である。

要するに、大陸に巣食う破廉恥な人々(中共幹部とそれにへつらう李国強に代表される御用学者・専門家)が、事実の改竄を学説と呼び、自己都合で読み下す文章を歴史的証拠と言い、誠実さよりも脅しで得られる実益を外交的勝利と呼ぶ、そのような考え(中華帝国主義思想)で支えられているのが人民の共和国を任ずる中国の行動理念なのである。

大陸の自称超大国様が、どんなに軍事力をつけようとも、恐れられることはあっても尊敬されない理由がそこにある。

  

今更であるが、「中華人民共和国」は共産主義国ということになっている。

 しかも、マルクスエンゲルス

「労働者の独裁」

と主張したところを

「(労働者を代表する)共産党の独裁」

と言い変えたスターリン毛沢東主義国である。

 

しかしながら、その先進的な社会構造を改革する思想を実践することで実現するはずの理想社会はどこに行ったのだろう。共産主義の実現で消滅するはずの階級と階級闘争がなくならないではないか。

それどころか共産党書記長を筆頭とする巨大なヒエラルキーを構成する絶対(共産貴族)階級国家となっている。それが彼らの目指す理想国家、中華”人民””共和国”なのだろうか?

 

かれらは絶えざる階級闘争により、重商主義ブルジョア階級、地主階級、宗教貴族、プチブルジョア知識人、民族主義者、反動主義分子、国家分裂主義者を「殲滅」し、輝かしい勝利を収めてきたと主張してきている。中国モデルの共産主義社会を実現して来たと自らを評価している。

 言葉を変えて言うなら、中国共産党は、「文字通り」その闘争対象の構成員を「完全死滅」させてきた。”階級”や”敵対分子”、”分裂主義者”とレッテルを貼られた「(階級ではなく)党の敵 」を「闘争」と言う名において、民衆が主体的になって殲滅してきた実績がある。その過程において「造反有理」というような正当性の理由付けをおこなう指導的役割(教育と呼ばれることすらある宣伝扇動活動)を果たしたのが、労働者農民の代表たる共産党「指導部」である。

その勝利の偉大さを示す犠牲者の数値は控えめに見ても7千万人を超え億の単位ではないかと言われている。まさに、大中華風に敵を「殲滅」してきたと言えるだろう。

 (労働者、農民というプロレタリアートが支配する理想社会を中国共産党が支配する理想社会と置き換えた)中国モデルの共産主義社会は、彼らの「代弁者」であり「代表」であり、「具現者」である「中国共産党中共」が世界を独裁することによって作られるしかないのだから、労働者、農民という「プロレタリアート階級の敵」ではなく中共の敵」が打倒=殲滅されるのは当然のことであろう。

 

つまるところ、共産党の存在価値や役割というものは階級闘争であれ解放闘争であれ、「敵」(打倒=殲滅される対象)によって成り立っている。中共は民族や階級の敵を完全に滅ぼし尽くしてしまう訳にはいかないのである。そうなると共産党の存在価値や役割というものをなくしてしまうからだ。

 

そうやって作られた社会が共産党総書記を筆頭とする巨大なヒエラルキーを構成する絶対階級国家、共産貴族が支配する覇権国家、中華共産帝国である。そして、その中華の中心である都市や工業地帯に棲むのは、労働者農民の代表と言う偽りの鎧で実体を隠し、開放された経済で利権を吸い上げる中華共産貴族階級である。それを支える都市や都市を取り巻く農村部の一般民衆は食料や安価な労働力、(中華貴族階級社会の)治安維持のための警察力や武力といったものを提供している。そして中華の版図内の冊封自治国家民族は土地を投資対象として収奪され、資源を奪われて、あらゆる搾取を耐え忍び中共の成果を称えることでかろうじて生存権を維持しているのである。

共産中華の版図の外は「争う余地のない領土・領海」や「覇権主義国」「超大国」「帝国主義国」「軍国主義」というスローガンやレッテルを貼られた夷狄の世界であり、中華共産階級の維持繁栄のために中華の論理(自他の強弱)によって、いつでも中華の都合のよいように利用すべき存在である。相手が強い時は礼を尽くし、弱い時は中華の威光を示し、またある時は夷を持って夷を討っても良しと言う訳だ。

 なぜなら、中共中華帝国主義は常に階級闘争と言う名の「争い」を必要としており、「争う余地のない領土・領海」や「解放」は中華共産帝国が覇権を争う相手を常に中華の外に存在させるために必要な「スローガン」である。そして、そのスローガンこそが帝国内の民衆に中共の政権を正当化させる証拠なのである。

 

だからこそ、「争う余地のない領土・領海」や「覇権主義国」「超大国」「帝国主義国」「軍国主義が中華の外側に存在するのであり、それを中共版領海政策を持って守ることが、中華共産帝国の維持に必要な「利益」であることは議論の余地があろうはずはない。まさに「争う余地のない核心的利益」である。

 「中華人民共和国」はその点に関し、嘘をついている訳ではない。誠に正直に行動しているのにすぎないのだ。

中華人民共和国」が国際協調や常識と言う行動基準で行動できない理由がそこにある。

中華の外側の論理や理想は有害なのである。

 

世界は中国共産党の歴史と実体を客観的に評価すべきである

 中国共産党にとっての核心的利益とは「共産党書記長を筆頭とする巨大なヒエラルキーに君臨する絶対階級」のための利益である。何と分かりやすい理屈であろうか?!

 中国共産党尖閣問題を始めとする東シナ海南シナ海における中国の領海戦略とは「争う余地のない領土・領海」として、争う相手を常に存在させて、中共貴族が支配を続けるために必要な「スローガン」である。しかも、必然的に常にその対象を拡大し敵を生み出し続けざるを得ない性格を持ったものである。それは世界解放(征服)終了まで続くこととなるだろう。

 

 したがって、尖閣問題を始めとする東シナ海南シナ海における中国の領海戦略とはそのような共産主義中国の実体を形に表したものである。つまり、中共という存在は平和主義勢力としてこの世に存在することはありえないのだ。

 

だからこそ、まちがえても、人類愛や平和を信じる人々は人命より階級闘争共産主義体制保持を優先する中華共産主義者に手を貸すべきではない。

それは人類に対する犯罪である。

 

 私は素直に大陸の一般大衆が精神的にも物理的にも共産党の思想・体制から脱却できる日を待ち望むのみである。

 

なお、歴史的水域については稿を改めて論じたいと思っている。

一部は History / Senkaku として掲載済みである。ご笑覧いただければ嬉しく思います。

大陸に誕生したどの王朝も東シナ海南シナ海を自国の領域だと考えていなかったことは「大明一統志」「皇明実録」「大清一統志」等の中国側の公式記録で明らかである。History / Chinaで掲載したほか、Youtubeに Ming recognized East China Sea as out of its territorial waters として動画をアップロードしたので、そちらも参考下さい。

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