kaiunmanzoku's bold audible sighs

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祖国愛と市民 『義務について』マルクス・トゥッリウス・キケロ

義務について

全ての人間の愛のなかで、最も大切で最も幸福を与えてくれるものは、祖国愛だ。父母への愛の重要さは言うまでもなく当然で、息子や娘たち、親族や兄弟、そして友人達への愛もまた、お互いを大切に思う気持ちに溢れていること。それらが人にとって必要不可欠な愛であることは誰でも知るところだ。
だが、これらの全ての愛ですら、祖国愛は包み込んでしまう。祖国が必要とするなら、そしてその必要のためにあなたこそがと求められるなら、祖国に捧げる一命を惜しむ市民はいないだろう。

                    ーマルクス・トゥッリウス・キケロ

 

 

ここで触れられているのは「市民の」義務についてだ。

元老院議員として共和制を守ろうとしたキケロの言う「市民」とは古代ローマの市民のことだ。

古代ローマにおいては、兵役はローマ市民の権利であり、ローマ重装歩兵の一員となる権利はローマ市民権を持っているものだけに与えられる名誉だった。奴隷や属州民は兵役につけなかった。

義務とは国家と正義に対して語られる言葉だ。祖国と正義に愛を持てなければ義務の意味も分からないだろう。

 

今の世に「市民」を称する政治勢力が全く語らず、見向きもしないが、「市民」とは共同体の防衛のために、身命を捧げる義務を負う人々の事であり、教育勅語の「一旦緩急アレバ義勇公ニ奉ジ」とは、欧米の「市民の精神」の事を指している。

 

今の世に「市民」を称する政治勢力が全く語らず、見向きもしない言葉だけに、同じ「市民」でもその違いに愕然となる。

 

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