もともと二十万頭いた南氷洋のシロナガスクジラも濫獲され、三十八年間の捕獲禁止を経た現在でも二千頭ほどです。保護されているのに何故増えないのか。南氷洋でシロナガスクジラが捕獲されて激減すると、捕獲対象とならなかったミンククジラが余剰となったオキアミを食べて激増したのです。一九〇〇年代の初めには八万頭だったミンククジラが、現在は七十六万頭にまで膨れ上がっています。つまりミンククジラを間引かない限り、シロナガスクジラが元の資源量を回復することはないのです。・・・資源量豊富な南氷洋のミンククジラは一年間に三万頭増殖する。これは牛に換算すれば三十万頭にあたる。これだけの牛を生産するためには百八万頭の牛を飼育する必要があり、そのためには莫大な土地、手間、エネルギーが使われる。牛肉一キロ生産するために十キロの穀物資料が必要なのです。
小松正之:『捕鯨戦争の二〇三高地』 諸君 02.8. P101
上記は、Facebookの友人に教えてもらったこと。引用できるようにブログに書き留めた。
参考文献
下記は上記参考文献の抜粋:
ミンクはシロと索餌場、繁植場を共有し、餌生物も共通であり、互いに最も 競合して生活する。 その競合には索餌場と繁殖場を含む生活空間のなかでの相互の軋轢によるストレスと が考えられる。 そして、小数派のシロがストレスを増大させ、栄養の補給を不足させて、加入率の 減少と、自然死亡率の増加をもたらし、純加入率が小さくなって、資源が回復しない 結果となったのであろう。 この解釈は、ミンクを間引かない限りシロの回復は保証されないことになり、それは 捕鯨の再開に繋がるから、反捕鯨勢力はこの解釈に対して、必死に抵抗している。
私見:
シロナガスクジラなどを減少させたのはあくまでも商業捕鯨による乱獲。だが、一旦少なくなってしまったシロナガスクジラの生息数を回復しようとするなら、ミンククジラの間引きが科学的な現実的手段だと思われる。
画像はWikipedia