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トリチウムは身近な放射性同位元素 / 水素発生源は原発だけではない

トリチウムの特性とは一般的に以下のとおり

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2013/images/handouts_130228_08-j.pdf 福島第一原子力発電所でのトリチウムについて 平成25年2月28日 東京電力株式会社 から引用

○化学上の形態は、主に水として存在し、私たちの飲む水道水にも含まれています
○ろ過や脱塩、蒸留を行なっても普通の水素と分離することが難しい
半減期は12.3年、食品用ラップでも防げる極めて弱いエネルギー(0.0186MeV)
ベータ線しか出さない
○水として存在するので人体にも魚介類にも殆ど留まらず排出される
セシウム-134、137に比べ、単位Bqあたりの被ばく線量(mSv)は約1,000分の1

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バナナにはカリウム40の形で天然起源放射性物質が含まれていることは有名だが、バナナを1本食べたときに人体が受ける線量は、およそ0.1マイクロシーベルトと言われている。

上記の表を参考に、トリチウムと同程度の被曝とは、バナナで考えるといったい何本分を食することなのかを計算してみると、1本のバナナを333等分して、その一つを摂取するのに等しいと分かるだろう。トリチウムの単位当たりの被ばく線量はバナナ1本分の 1,000分の3 しかないのだ。

 

昔、カメラは魂を吸い取る魔術、ワインは処女の血、だから異人は化け物という者がいた。
今でも、飛行機が怖いという人がいて、バナナに放射性物質が必ず含まれていると教えてあげても、安全の例えとして受け入れず、バナナを怖がってしまう人がいる。
文明の啓蒙とは困難だ。

 

さて本題である。

先日、重水3.6トンが流出した韓国の月城原発関連のデマが流れているのに気が付いた。

重水に含まれていたトリチウム三重水素)量がわからないので、基本的な話だけしておく。

基礎知識としてトリチウムは水素の存在する場所で普通に存在する。例えば、水道等の飲用水の中にもごく普通に存在し、飲用して危険がないとの許容量は1リットル当たり6万ベクレル未満だ。放射されるベータ線は(人体内でもほぼ同じだが)水中では原子核から0.01mmの距離で消滅してしまうからだ。ベータ線を放出した後は普通の水素か重水素に変わる。

ちなみに、水素は、多くの化合物に含まれているので工業用に用いられる可燃性ガスの殆どがトリチウムと一緒に生産されている。例えば水素化合物であるアンモニア化合物は肥料としても用いられ、トリチウムは食物としても人の体内に取り入れられている原発だけがトリチウムを生産しているわけではない。全ての化学工場で水素を使わずに生産活動が出来るとは思えないし、家庭でもその製品群の恩恵なしに現代生活が営めるとは思えない。

 

世界中の化学工場から出るトリチウムの量については研究資料もない*1が、トリチウムを本当に脅威だと思うのなら国際石油資本から提出させるべきだろうし、燃料電池が今後将来にわたって増産されていくようなら、本当にトリチウムが怖くてしょうがないという人々は戸外に出ないことだ。燃料電池は水素の工業生産(トリチウム生産)無しでは存在しえない技術なのだ。

 

世の中からトリチウムを取り除くのは水素化合物全てを取り除くに等しいということだけは、前提として知っていて欲しい。

 

 

トリチウムに関する科学的知見を原発容認派から聞きたくないのであれば、せめて、原子力に反対の立場で一般に資料を提供している「原子力資料情報室」を参照して欲しい。

 

ちなみに、韓国の月城原発の事故については、原子炉格納容器から3.6トンも重水を喪失させたことの方が重大だ。格納容器内の水位についての情報がなかったことにも悪意を感じる。

 

このような、トリチウムデマは日本のエネルギー行政をかく乱させるための中華従北プロパガンダのように私には思える。なぜなら、福島にはトリチウム水が膨大な量になって貯蔵されているのだから。

嫌韓を利用して日本のエネルギー政策をコントロールしたい勢力、日本の行政に混乱をもたらしたい勢力がいるという事だろう。

 

東電福島のトリチウム水についても、真摯に風評被害を恐れるなら、事故が起きる前に計画的に海に放出してしまうべきだ。管理されているトリチウムを恐れる必要は微塵もない。

 

 

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*1:化学工場で放射性物質としてのトリチウムの発生量が問題にされないのは、そもそも水素自体が爆発的可燃物として危険性が大きいからだ。今後も世界中の化学工場は大量の水素と共に大量のトリチウムを発生させ続ける事だろうが、それでも放射性物質の発生源として問題になることはないだろう。

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