#プーチンの暗殺リスト
先のブログで「暗殺皇帝プーチン政権下の不審死や投獄には、ウクライナ侵攻の賛否を問わず、軍事活動の障害をすべて取り除き、世論を恣意的に誘導し、政権を支えようとの思惑が見える」と書いた。つまり、目指す目的や方向が同じでも、政権のやり方、方法に素直に賛同せず、異なる熱量で異論が政権外で語られるとき、それらを排斥・除去しようとするのだ。そして、本人の口をふさぐ方法は本人を消す以外にもある。要するに問答無用で「外野は口を閉ざせ」、「家族にも危険は及ぶぞ」というわけだ。また、他国との戦争状態は、対戦国やその友好国に疑惑を向けさせる絶好の環境でもある。
それに関連して記さねばならない暗殺事件がある。
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2022年 8月20日 - ダリア・ドゥギナは父である思想家アレクサンドル・ドゥーギンとともに映画監督エドゥアルド・ボヤコフと公正ロシアの元下院議員ザハール・プリレーピンが主催するイベントに参加し、ドゥーギンは「伝統と歴史」の講義を行った。イベント終了後、帰宅する途中の21時30分ごろ、モスクワ近郊、ボルシエ・ヴィアゼミ村近くのモジャイスコエ高速道路で、運転していたトヨタ・ランドクルーザープラドSUVが爆発。目撃者によると、車はコントロールを失い、路肩に停車後に発火炎上。ダリア・ドゥギナは現場で死亡。父である思想家アレクサンドル・ドゥーギンは、プーチン大統領と親しく、思想的に大統領に大きな影響力をもつとされ。このため、帝政ロシア末期に皇帝一家に近く、影響力を持った僧侶グリゴリー・ラスプーチンになぞらえて、「プーチンのラスプーチン」などと呼ばれてきた。「ロシアは、欧米とは異なる価値観のユーラシアという独自の空間」だという「ネオ・ユーラシア主義」を提唱するドゥーギン氏の国家主義思想が、プーチン氏の世界観に大きく影響したとされており、ウクライナ侵攻を正当化するプーチン氏の理論形成にも関わっているとされる。このため、この事件について、ロシア当局はウクライナ人の女が遠隔操作で車両を爆破し、エストニアに逃亡したと主張していた。一方、事件当時のウクライナのミハイロ・ポドリヤク大統領顧問は、「もちろんウクライナは何の関係もないと強調する」とコメント。「なぜなら私たちは犯罪国家ではないからだ。犯罪国家はロシア連邦の方だ。ましてや我々はテロ国家ではない」と述べていた。そして、2022年10月5日に米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は、事件はウクライナ政府関係者が関与と米情報機関が判断したと報じる。米諜報当局者らの考えでは暗殺当時、ドゥーギン氏の娘は父親の車を運転していた。そのため暗殺の実際の標的はドゥーギン氏だったとみている。
情報源:産経新聞、CNNニュース、ロイター等から