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ドイツは第二次世界大戦の講和をどこの国ともしていない 戦後80年「見逃しがちな事実」

石破首相の「戦後80周年メッセージ」と言うことで思い出した
「見逃しがちな事実」
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【ドイツは第二次世界大戦の講和をどこの国ともしていない】


ドイツがパリ講和会議で講和したのはイタリアと連合国の間だけ。
ドイツは戦後、どこの国とも第二次世界大戦の講和を行なっていない。


ユダヤ人の虐殺は戦争犯罪のカテゴリーではない。600万人とも言われる犠牲者のうち150万人がドイツ国民。自国の国民を虐殺する戦争犯罪はこの世にはない。戦後、ナチスドイツが裁かれたのは組織的、計画的、大量虐殺という犯罪について。そのため、この犯罪をナチ犯罪と呼ぶ。


このナチ犯罪はあまりにも犠牲者が多すぎて、実際の被害者の詳細(どこでどういう風に殺された、拉致された等)が不明なことも多い。そのため、ドイツはこの問題に対しては謝罪しか方法がない。ナチスの不法という戦争犯罪の枠を超えたものとしての扱いが国際社会においても問題になったということ。

 

第二次世界大戦後の1949年、ドイツには二つの分断国家、ドイツ連邦共和国(西ドイツ)と、ドイツ民主共和国東ドイツ)が成立し、正当な継承国が決定されない状況下のため戦争中のいわゆる戦争犯罪に対する賠償問題の解決は統一後まで一時棚上げされることになった。その後そのままということ。

 

また、1990年9月12日のドイツ最終規定条約により、ドイツの戦争状態は正式に終了した。この条約には賠償について言及された点は存在していないが、締結に際して連邦政府は「賠償問題は時代遅れになった」とはっきり説明し*1、もはや賠償問題は提起されないという立場をとっている*2

統一後のドイツは、「ドイツの戦後問題」が最終的に解決され、「賠償問題はその根拠を失った」として、法的な立場からの賠償を認めていない。

 

連邦補償法などのドイツ連邦共和国が行った各種補償措置の名目は「ナチス不正」に対する補償であって「人道に対する罪」や「戦争責任」に基づくものではなかった。とWikipediaでも書いてある通り。


日本は戦後、サンフランシスコ講和条約で連合国との講和を行い、日華平和条約中華民国との講和も行った。また、中国とも日中平和条約で講和をしています。現在、日本が連合国で講和に至っていないのはロシアだけ(これが戦後の総決算として日露平和条約を締結したいとする理由)。


また、戦後にできたアジア諸国とは別途、平和条約を結んで来た。大韓民国のと間の条約が日韓基本条約なのは日本と大韓民国間での戦争の事実がないから。 


戦争犯罪に対する責任をごまかしているのはドイツ。近年、ポーランドギリシャなどから戦後賠償を求められたこともある。それは戦争犯罪も存在するからだが、ドイツ政府は全ての責任をナチスに転嫁している。

 

 

*1:山手治之「ドイツ占領軍の違法行為に対するギリシャ国民の損害賠償請求訴訟(2) : 個人の戦争賠償請求権,主権免除,ユス・コーゲンス」『京都学園法学』第52巻、京都学園大学、2006b、293-353頁、NAID 110006560921

*2:外務省外交史料館編纂室「外交史料館所蔵史料に見るドイツ戦後賠償の形成過程 ―現物賠償、戦争賠償、ナチスの不法に対する補償」『外交史料館報』第30巻、外務省外交史料館、2017年、93-116頁。

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