危機に対処する心構えを説く
【巧遅は拙速に如かず】
明治21(1888)年の尋常小学校の修身(道徳)教本から
尋常小学修身口授教案. 巻4 下 - 国立国会図書館デジタルコレクション
国立国会図書館デジタルアーカイブ
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尋常小学修身口授教案
第九十四章
題目 巧遅は拙速に如かず
例話 在る智者の話
目的 時を失うほど、あしきことおおし、何ほどによく工夫しても、時節がおくれて、用に立たぬ故、早くして過ちの少ないやうに常に心を用ふべし、と論す
在る智者が重き役職を務めており如何なる面倒も伺ひごとても速き捌きがつきましたから人々尊敬しておりました
或る人 「君の理論冴え誰も叶うものがない この上よく考えたなら、さらなる理屈(もっと良いアイデア)も出る事でしょう。」と申したれど。
智者 「もちろんのこと、人それぞれいろいろ性質もあれば遅くて良い考えをする人もありましょう。しかし、役人と称する者は即座に分別が付きませんと間に合いません、例えば火事または喧嘩のある時、如何致さんと尋ねられて、とくと考えましてからと返答していては当分埒あかぬままになりかねないので、良かれ悪しかれ即座に考えを付けねばなりません」と申されました。
これも平常気を付けて早く考えを出来るように、慣らしておくべきことでありましょう。万事もそういう有様でしょうから他人から見て役に立つものであると見られるのでしょう。
(問い)(1)或る人は智者に何と言いましたか
(2)智者は何と答えました
(3)巧遅とは何のことですか、拙速とは何のことですか
(4)急場に良い考えの早くできるようにするにはどうしましょうか
上記の画像は下のリンクで閲覧できるページのスクリーンショットである。
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当時の世相を画像で掲示してます。誰が智者の知恵で発言行動しているか、誰が智者に及ばないか、確かめてみると面白いでしょう。